株式会社ICT総研が、2021年5月26日に「2021年MVNO格安SIMの利用者動向調査」の結果をまとめました。本記事ではその内容を紹介していきます。
MVNO利用者は7人に1人の割合
まずは、個人向け携帯電話利用者シェアを見てみましょう。
引用:2021年 MVNO格安SIMの利用者動向調査|ICT総研
上記のとおり、日本人の7人に1人はMVNO利用者です。いまだに大手キャリアのシェア率が高いとはいえ、MVNOのシェア率15.8%を見る限り、認知度が低いとは言えません。
MVNOは着実に携帯キャリア界隈に影響を及ぼしています。今後、楽天モバイルを加えた、大手4大キャリアの価格次第では、ますますシェアを伸ばすことも期待できるでしょう。
MVNOのブランド選択は苛烈な競争の真っ只中に
続いて、MVNOのブランド内訳を見てみましょう。
引用:2021年 MVNO格安SIMの利用者動向調査|ICT総研
MVNOのブランド別シェア率は、大きくても10%代と、独占状態のブランドはありません。その他MVNOを考慮すると、相当数のブランドが存在しています。
シェア率が分散する理由は、「個人が常日頃に利用しているサービス」によりブランドを選択しているからでしょう。楽天やLINE、イオンは、ユーザーの囲い込みに成功していると言えます。
利用者満足度には大きな差が見られる結果に
最後に、MVNOの利用者満足度を見てみましょう。
引用:2021年 MVNO格安SIMの利用者動向調査|ICT総研
MVNOに占めるブランドシェア率は拮抗していたものの、利用者満足度には顕著な差が見られました。
特に、総合満足度ベスト3の『mineo』『IIJmio』『LINEモバイル』は、全ブランド平均を大きく上回る結果となっています。
これから格安SIMに挑戦しようと考えているユーザーは、提携サービスやブランドにこだわりがなければ、評判の良さを決め手にしても良いでしょう。
今後の展望と期待
ここ数年で、携帯電話回線を始めとする各種インターネット回線料金の引き下げが、政府主導で始まっています。今まで盤石だった3大キャリアも、分離プラン(通信料と端末代金を分離)やオンラインプラン、格安プランを展開しています。
その結果、MVNOの料金面による優位性は失われつつあるでしょう。大手キャリアの潤沢な資金力をもってすれば、料金引き下げ合戦の長期戦にも耐えることができます。
今後は、格安SIMブランド界隈でも「提携サービス」や「ブランド力」など、独自色を打ち出したプランを展開し、競争は激化していくことが予想されるでしょう。