【シニア世代のスマホ調査】シニア世代のスマートフォン利用者は増加した?

MMD研究所が、約10,000人のシニア(60歳~79歳)を対象に、「2021年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」を実施しました。本記事では、アンケート結果と今後のモバイル端末事情について紹介していきます。

 

約8割がスマホを所有

引用:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1981.html

アンケート結果では、全体の93.8%がモバイル端末を所有しているという結果でした。モバイル端末所有者の内、実に84.7%がスマートフォンを所有しているという結果になりました。

アンケート結果からは、携帯電話やスマートフォンは、シニア世代であっても生活インフラとして欠かせないもの、なくてはならないものと認識されています。

また、シニア世代の8割以上がスマートフォンを所有していることから、日本のモバイル端末といえば、スマートフォンと言っても過言ではありません。

 

2017年でスマホ利用者が50%を超えた

引用:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1981.html

シニア世代の端末所有割合は、2017年ではじめてスマートフォン利用者が50%を超えました。一般的にシニア世代は、若者よりも新しいことに対応する時間がかかると言われています。

日本のスマートフォン需要を振り返ると、スマートフォンが売れるきっかけとなったのは2008年にソフトバンクで発売されたiPhone3Sです。

iPhoneの発売をきっかけに、若者を中心にスマートフォンの利用ユーザーが増加しました。総務省が調査した平成25年度通信利用動向調査では、2012年において、10代の50%がスマートフォンを利用しているというデータがありました。シニア世代の場合、2012年時点は全体の87.3%がフィーチャーフォンを利用しており、スマートフォン利用者は12.7%にとどまっています。

そこから徐々にスマートフォンの需要が増え、2017年にスマートフォンの所有率が50%を超えました。若者よりも変化はゆっくりですが、着実にスマホへの以降が進んでいることもうかがえます。

 

フィーチャーフォンからの乗り換え意向

引用:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1981.html

フィーチャーフォンを利用しているシニアユーザーの約50%が、スマートフォンに乗り換えることを検討しています。逆に言うと、約50%はフィーチャーフォンを使い続けたいと思っています。

しかし、フィーチャーフォンの未来は長くありません。auは2022年3月31日、ソフトバンクは2024年1月下旬、一番遅いNTTドコモでも、2026年3月31日にはフィーチャーフォンが利用できなくなります。ということは、フィーチャーフォンの寿命は、NTTドコモであっても残り5年しかありません。

現時点でフィーチャーフォンを使い続けたいユーザーに対して乗り換えをすすめるためには、らくらくフォンやガラホ(フィーチャーフォンのようなスマートフォン)のようなシニア向けのスマートフォンのさらなる展開や、スマートフォンが難しいと感じないように、「簡単に使える」ことを伝える必要があるでしょう。

 

外出自粛期間で利用頻度が高くなった習慣や行動

引用:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1981.html

2020年以降、コロナ禍での緊急事態宣言などで外出自粛を余儀なくされました。そのタイミングで利用頻度が一番増加した習慣や行動は、オンラインショッピングでした。外出自粛でお店に行けなくなったので、オンラインショッピングが増加するのは当然の結果です。

オンラインショッピングと一口に言っても、従来から利用できたAmazonや楽天などの総合ショッピングサイトは当然として、食用品や日用品が購入できるネットスーパーなどの増加、UberEATSや出前館などの宅配サービスなどの需要が増加したことも、オンラインショッピングが増加した一因と考えられます。

2位の音声通話は、気軽に友達や家族と会えなくなったため、コミュニケーションを取るためには音声通話などの手段を利用せざるを得ない状況になりました。そのため、しばらくの間は、音声通話の頻度は高い水準を保つと思われます。

また、スマートフォンを利用している場合、LINEなどのコミュニケーションツールを使うことで、音声通話やメッセージ、ビデオ通話を無料で楽しめます。家族、友人とのビデオ通話も10.7%と7位のため、今後はビデオ通話の頻度も高くなるのではないでしょうか。

3位の散歩は、外出自粛で運動不足になりやすくなったので、運動不足を気軽に解消する方法として散歩の頻度が高くなったと考えられます。最近のスマートフォンには、自動的に歩数を計測する機能が備わっている機種がほとんどです。

また、体重や体温、血圧などを記録できる健康アプリが多数あります。これらの健康アプリと歩数などの運動記録を連携することで、体調をデジタルに確認できるようになりました。そのため、健康を気にするユーザーを中心に、散歩の需要が増えたのだと推察します。

 

スマートフォンを利用しようと思ったきっかけ

引用:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1981.html

スマートフォンを利用しようと思ったきっかけの1位は「LINEなどのコミュニケーションツールを使いたかったから」でした。コミュニケーションツールでは、メッセージ、音声通話、ビデオ通話が利用できます。

文字を使ったコミュニケーションツールとしては、電子メールやショートメールがありましたが、電子メールは気軽に利用できない、ショートメールは文字数の上限が決まっている、1回の送信で通話料がかかるなど、気軽に使いづらいツールでした。

しかしLINEなどのコミュニケーションツールは、友達登録さえしてしまえば、すぐにメッセージが送信できます。また、スタンプなどイラストを使ったメッセージや、写真や画像が簡単に送れるなど、気軽に使えます。

また、家族や友人など周りの人がLINEなどのコミュニケーションツールを使い出したことも、理由の1つと考えます。

2位は「家族に勧められたから」です。スマートフォンは、1回使ってしまえば、フィーチャーフォンには戻れなくなる魅力があります。しかし、相手がフィーチャーフォンの場合、主な利用は「電話」しかありません。そのため、家族としては、シニア世代にもスマートフォンを使ってもらった方がメリットは大きいのです。

シニア世代のご家族のスマホプランに悩んでいる方は、「シニア層におすすめの格安SIMプランは?」の記事も参考にしてみてください。

シニア世代としても、家族に勧められて購入することで、使い方が分からなくても家族に聞けるというのは大きなメリットです。そのため、家族に勧められたというのは、ちょうど良いタイミングなのではないでしょうか。

3位は「地図、ナビゲーションを利用したかったから」です。例えば散歩に行く時に地図アプリを使えば、わざわざ大きな地図を持ち運ぶ必要はありません。また、スマートフォンで利用できるナビは、無料アプリであっても、常に最新の地図が利用できます。

地図や車載ナビの情報は、年を追うごとに情報が古くなります。地図、車載ナビともに、情報の更新は有料です。そのため、紙の地図や車載ナビに変わってスマートフォンで代用するユーザーが増加するのは当然の流れです。

 

まとめ

2021年現在では、シニア世代であってもほとんどのユーザーがスマートフォンを利用しています。スマートフォンを利用していないユーザーであっても、フィーチャーフォンの寿命が決まっている以上、この流れはさらに加速することは間違いありません。

日本は超高齢化社会と言われており、今後もシニア世代の割合が高いことは確実です。そのため、らくらくフォンのようなシニア向けのスマートフォンに加えて、例えば健康アプリのようなシニア世代に刺さるサービスの需要が高まるかもしれませんね。