AppleとAmazonがロスレス配信で競い合う?

音楽ストリーミング配信が高音質で聞ける時代に

Apple社は音楽ストリーミングサービス「Apple Music」で、高音質なロスレスオーディオ配信とDolby Atmos(ドルビーアトモス)による空間オーディオ配信を2021年6月より追加料金なしでスタートしました。 

ロスレスオーディオでは、従来のCD品質である16ビット/44.1kHzから最大で24ビット/48kHzまでの高音質な音源の視聴が実現します。

対応している高品質なオーディオセットをお持ちであれば、最大で24ビット/192kHzのハイレゾロスレス音源を体感できます。

ロスレス配信や空間オーディオ配信により、頭上や周囲の至る方向から音楽が降り注ぐように聞こえ、まるで複数のスピーカーが備え付けられた映画館のような体験が実現可能といわれています。

こうした動きに対抗し、Amazon社も2019年9月から開始している高音質ストリーミングサービス「Amazon Music HD」へのアップグレードを、すべてのAmazon Music Unlimited加入中のユーザーに追加料金なしで提供することを発表しました。

今回の発表で対象となる国は、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ、フランス、イタリア、スペインとなります。日本は未発表ですが、いずれ近いうちに対応されることが期待されます。

これにより、高音質ストリーミング配信サービスの利用者獲得の競争が始まりそうです。

(Apple 公式サイトより)

Apple Musicによるロスレス配信は年末までに7500万曲以上の全楽曲に対応し、空間オーディオ配信は数千曲から提供されます。

個人のユーザーで月額980円ですので1000円未満で高音質なストリーミング配信を手軽に体験できるようになります。

注意点として、ロスレス配信を聴く際はiOS/iPadOS 14.6以上、macOS 11.4以上の端末が必要です。

有線接続のヘッドフォンやレシーバー、パワードスピーカー、内蔵スピーカーでは対応となる一方、AirPodsやAirPods Pro、AirPods Maxではロスレス配信が非対応となります。

また、サンプルレート48kHz以上の楽曲を聴く際は、別途DACが必要となります。

(Amazon公式サイトより)

対して、Amazonでは既に、7000万曲のロスレス楽曲と700万曲のUltra HDと呼ばれる空間オーディオ配信を提供しています。

高音質が楽しめるAmazon Music HDの料金は、Amazonプライム会員で月額1,780円、一般のユーザーは月額1,980円です。

表に記載されているAmazon Music Unlimited個人プランの料金をご覧いただくと分かりますが、今回発表された地域の料金方式が日本にもそのまま適用されれば、プライム会員で月額780円、一般ユーザーも月額980円で高音質なストリーミング配信を楽しむことが可能となります。

 

Spotify HiFiのリリースも近い!?アプリのアイコンが示す前兆

Spotifyは2021年後期よりロスレスオーディオ配信「Spotify HiFi」をスタートすると同年2月下旬に発表しています。

そんな中、iOS版のSpotifyアプリの再生ボタン右下に「HiFi」のロゴが発見されました。

(imgurより)

現時点では、押すと16ビット/44.1kHzでの再生可能な旨の説明は表示されるものの実際にその音質では再生はされませんので、不具合で表示されているものでしょう。

いずれにしてもこのアイコンから、「お気に入りの曲を今まで以上にクリアな、奥行きのある音質で楽しめる」と明言したSpotify HiFiの提供日が近いことを示しているということが分かります。

具体的な開始日や料金、対応地域等は現時点では不明ですが、スタートが近いことは間違いなさそうです。今後の公式の発表に期待しましょう。