今さら聞けない4Gと5Gの違い

そもそも4Gと5Gってナニ?

4G・5Gは、移動通信システム(モバイル通信)に世代を付与した略称です。「G」とは「Generation」、つまり世代を意味しており、4Gなら第4世代、5Gなら第5世代の技術を意味します。

4Gとは

4Gとは、2014~2015年に日本でサービスが開始された、第4世代移動通信システムの略称です。前世代の3Gと比較して通信速度が大きく向上し、瞬く間に普及しました。

現在では「4G LTE」として携帯電話(スマートフォン)の主要な通信規格となっています。なお「LTE(Long Term Evolution)」とは「長期的進化」を意味し、2010年頃に登場したばかりのLTEは3.9世代とされ、初期から進化した規格(LTE-Advanced)が4Gとされています。

5Gとは

5Gとは、2020年に日本でサービスが開始された、第5世代移動通信システムの略称です。4Gと比較して「通信速度」「遅延速度」「同時接続数」とあらゆる部分で進化を遂げています。

2021年現在では、4大キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)がサービスを提供開始しています。また、MVNOも徐々に対応が進められています。しかし現状、5G基地局の配備が一部エリアのみであるため、いまだ5Gを利用できる地域は限定的です。

 

4Gと5Gの違いは主に3つ!

4Gと5Gの違いは、大きく分けて下記の3つです。

  4G 5G
通信速度 最大1Gbps 最大20Gbps
遅延速度 10ms 1ms
同時接続数 10万台/km2 100万台/km2

通信速度

4Gと比較して5Gの通信速度は最大20倍の速さです。そのため、インターネットを通して動画やゲームなどの大容量データを通信するときに、真価を発揮します。

特に、昨今ではYouTubeやNetflixを始めとする動画配信サービスの利用者が増加しています。5Gの普及により、Wi-Fi環境のない場所でも快適な動画視聴が期待できます。

遅延速度

4Gと比較して5Gの遅延速度は、最大10分の1です。1msとなれば、どんなに離れていても人間の体感では遅延を感じないくらいのリアルタイム通信を可能にするのです。

車の自動運転や手術ロボットなど、精密でリアルタイム性を求められる分野における信頼性の向上が見込めます。また、遅延速度が大きく影響を与えるシューティングゲームや格闘ゲームなどでも、より快適なプレイ環境が期待できるでしょう。

同時接続数

4Gと比較して5Gの同時接続台数は、10倍の100万台です。一定面積あたりの接続台数が増えることで、通信の安定性の向上や新たな接続機器の導入が見込めるでしょう。

現代ではIoT機器と呼ばれる「インターネットに接続できる家電や車」が増えてきました。IoTの普及により、今後ますます社会生活における利便性の向上やコスト削減などが予想されます。

 

5Gの今後の展望とは?

2020年にサービスが開始された5G。近年、4k動画の普及や動画配信サービスの台頭により、今後さらなる利用拡大が予想されます。総務省データによると、5Gのデータ通信量は2025年まで継続して増加する見込みです。

出典:Ericsson“Ericsson Mobility Visualizer
引用:総務省「第1部 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築」『情報通信白書令和2年版』

 

3Gから4Gに移行するときは、機能性の高さや利用者に対する恩恵の大きさから支持を得ることができ、当初の予想を遥かに上回るペースで普及した背景があります。

4Gにはない5Gの機能性の高さに気づき、われわれ利用者にとって活かせる場面が増えれば、ニーズにともなってより早いペースで日本中に普及することも考えられるでしょう。