通信サービスの利用動向(2021年3月)

Androidの利用率がiPhoneを上回る

3月9日、MMD研究所は「2021年3月 通信サービスの利用動向調査」の結果を発表しました。この調査はMMD研究所が定期的に行っているもので、今回の調査は18歳~69歳の男女40,000人を対象に2021年2月8日~2月10日の期間に行われたものです。

主な質問項目は、メインで利用している通信サービスとサブの端末を利用しているかといったもので、メインで利用している携帯電話・スマートフォンは「iPhone」が41.0%、「Android」が45.8%となり、「その他」の0.1%を含めたスマートフォン利用者は合わせて86.9%でした。また、「フィーチャーフォン(ガラケー)」は6.8%、「ガラホ」は1.3%の利用者がいることがわかりました。

 

伸び悩んだ楽天モバイルのシェア

メインで利用している通信サービスでは、2020年10月16日~10月18日に実施された前回調査では、楽天モバイルのMNO参入とUQ mobileのau再編によりシェア構成に大きな変化が見られましたが、今回は相変わらず大手キャリアのシェアが高い結果になっています。1年間の無料キャンペーンを行っていた楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT」がどこまでシェアを伸ばしているか注目されましたが、結果は2.5%から4%と+1.5%に留まっています。

■2020年11月発表「メイン利用の通信サービス」

■2021年3月発表「メイン利用の通信サービス」

楽天モバイルのシェアが伸びなかったのは、docomoが発表したahamoに続けとばかりにau、Softbankが低価格のプランを発表したためです。しかし、楽天モバイルはMNOに参入してきましたので、「docomo(35.0%)」「au(24.5%)」「SoftBank(15.7%)」「Rakuten UN-LIMIT(4.0%)」の4キャリアで79.2%、そこにサブブランドの「Y!mobile(7.2%)」「UQ mobile(3.2%)」を合わせると89.6%となり、「MVNO」は10.4%という結果になりました。

 

低価格プラン発表の遅れで格安SIMのシェアが低減

格安SIMはこれまで着実に認知度を高め、シェアを増やしてきました。しかし、今回は前回の22.5%から20.8%とマイナス1.7%という結果になりました。

※格安SIMの数値には、Y!mobileとUQ mobileが含まれています。

日本通信はdocomoがahamoをリリースした翌日に「MVNOの代表として」発表当時のahamoの料金2,980円より1,000円安いプランを発表し、大きな話題を呼びました。

しかし、その他の業者はなかなか新しいプランを発表することができず、調査が行われた2月8日~2月10日の時点で大手キャリアに対抗できる格安SIM各社のプランは少なかったのです。そのため、今回のシェア減少はやむを得ないものと言えるかもしれません。

また、MVNOとしては2回連続のマイナスではありますが、2020年11月の数値から楽天モバイルが抜けています。そのため、格安SIM同様、一概にニーズがなくなったということではないでしょう。

 

2台目のサブ端末利用者が1割に

4万人中約1割がサブ端末を所有していることがわかりました。前回調査より約2倍に近い人が2台目の端末を購入・利用しています。利用通信キャリアではdocomoが28.4%でトップですが、メイン端末よりは割合が低く、MVNO含め、今後サブ端末市場がどんな動向を示していくのか興味があるところです。