MMD研究所は2021年6月3日に、「通信キャリアの新プラン開始後の最新動向」の結果をまとめました。本記事ではその内容を紹介していきます。
シェア1位は「ahamo」だが…
まずは、契約している通信サービスのランキングです。
一番リードしたのはNTTドコモの「ahamo」という結果でした。上記グラフからわかるとおり、auの「povo」やSoftBankの「LINEMO」を大きく引き離して、トップに躍り出ています。
第2位に輝いた楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」はシェア率18.7%と、1位のahamoとはわずか4.2%の差しかありません。MNOとなった楽天モバイルは数字の上でも「4大キャリア」の仲間入りをしたと言えそうです。
ただし注意すべきは、各社のサブキャリアの存在です。auは「UQ mobile」、SoftBankは「Y!mobile」を展開しています。単体で見ると、NTTドコモの独走状態に見えますが、キャリア全体の利用者数を比較すると、そう大差はないでしょう。
新規契約者は「ahamo」、乗り換え契約者は「Rakuten UNLIMIT VI」に
続いて、現在利用している通信サービスの前はどのサービスを使っていたのか、見てみましょう。
上記のグラフから、各キャリアの新規契約・乗り換え契約の流入元が見て取れます。シェア率では第1位だった「ahamo」は、「新規契約」でもトップであることから、多くの新規契約者を獲得していることがわかります。
対して、「Rakuten UN-LIMIT VI」は、新規契約者が3.0%とふるわない結果に。ただし楽天モバイルからの契約率が比較的低いことから、他社キャリアからの乗り換えが多いことがわかります。
以上から、新規契約者は「ahamo」を、乗り換え契約者は「Rakuten UNLIMIT VI」が人気となり、同じく格安プランのpovoやLINEMOに差をつけた状況が伺えます。これに対し、LINEMOは3GBプランを導入し、裾野の拡大を図っています。
格安SIM業界の展開に期待
格安SIM業界では、数え切れない種類のMVNOの参戦や、楽天モバイルを含む4大キャリアの参入により、競争が激化しています。各キャリアはシェア率を伸ばすためにも、オプションや通信速度、料金により差別化を図っています。
ただし、実のところ今後3大キャリアは「MVNOとの価格競争にはこれ以上応じない可能性も高い」と見られています。特にサブブランドを持たないNTTドコモは、契約数が増えているものの収益は減少しており、実情は「一人負け」だとする見方さえあります。
今後とも政府の方針や各キャリアの打ち出すキャンペーンには、要注目です。徹底したキャリアの比較とフットワークの軽い乗り換え契約により、自分自身にとって「最適な携帯キャリア・プラン」を追求しましょう。